海と私

海を見て暮らす。

大げさなことではありません。

いやでも目に飛び込んできます。
小樽にいると。

でも、いやではありません。
むしろ目に入れても痛くない……
例えが変ですが、気持ちとしてはそのような感じです。

夕方、買い物を終えるとこんなことで迷います。
まっすぐ帰ろうか、それともあそこに行って
ちょっとの間、海を見ちゃおうか。

雲が桜色やすみれの色に染まるような日は、迷いもしません。
まっしぐら。

この日は、いつもの祝津展望台に行くと
大勢の人が西を向き、カメラを構えていました。

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車から降りつつ西に目をやると、
すごい色の夕日が、山の向こうに落ちようとしていました。

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カメラを構えずにはいられませんよね。
でも、この日はカメラを覗く時間すら(私の場合iPhone)
惜しいような気がしました。
肉眼には敵わないのです。
広がりも色も。

幸いなとこに、5、6枚撮影したところで
バッテリーが切れました。

充電用のコードも持っておらず……
あとはだまって夕景に浸っていました。

大勢人がいるのに静かです。
景色が人を黙らせるのでしょう。
風の音が少しと
後ろからおたる水族館のトドの声。

断崖に轟くトドの声ーー。
小樽で育った子どもには
「小樽を想起させる」懐かしい”音”ではないでしょうか。
少なくとも、私は、そうです。
トド〜〜!!

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風の強い日は、心がざわざわするものです。
この日は前より少し遅い時間に祝津展望台に行きました。
春を思わせる先日に比べ、寒いこと。
この日のメインディッシュは、風と波の音です。
ザザザーー、ドドーン。
冬に少し戻りました。

春は心が明るくなり、ウキウキすると同時に
ほこりのような雑多なものが身の回りに付着してしまいます。
正確には心に……なんですけどね。

冬の荒々しさには
春のように、ほこりや雑多なものを寄せ付けてしまう
スキがありません。

岩に砕ける波の音のおかげで
心から垢が落ちたような気がしました。

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また別なある日の夕方です。
マイカルの立体駐車場からの眺め。
ヨットハーバーの白い船体が夕日に輝いています。

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また別なある日。
塩谷の漁港付近から積丹方面の景色です。
手前の岬と遠くの山々とのコントラストがいいねー。
空も青いし、海も青いし。
おなかも減るし……。

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塩谷食堂 海坊’sさん。
いい場所にありますね。
刺身定食が美しい!

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塩谷から少し移動して、忍路!
寄せる波が美しい!

同行した友人と別れ、
さて、家に帰ろうか……
帰るのまだ、よそうかな……。

フェリーターミナルに立ち寄りました。
ここもいつもの場所のひとつです。

椅子に座り、ぼんやり港や高島岬を見ていると
私の他にも夕暮れを楽しんでいる者が……。

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目の前のプラタナスの木にカラスが一羽。
黒い身体いっぱいに夕日を受けていました。

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たまに身体をゆらすのは、風のせいでしょう。
やっと訪れた春を楽しんでいるようでした。
私も君と同じだよ。

春の小樽猫は……

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少し前の3月のあたたかな朝。
急に猫が増えたように思える日がありました。
朝日のあたる石段の上で、早朝ひなたぼっこ。
居心地のよい場所を知りたければ
猫に聞くのが賢明です。

ニャンてね。