「冬の小樽、雪あかりの街」

私が生まれ育った小樽には、海があり、山があり、小さな丘や、たくさんの坂があります。
自然と隣り合わせの暮らしの中、短い夏を楽しみ、駆け足で過ぎてゆく秋を見送り、長い冬を迎えます。
「寒い、雪かきが大変、もう無理……」と弱音を漏らしつつ、冬ならではの美しい風景がそこかしこにあることに気づいてもいます。

たとえば、
雪がうっすら積もった道についたタイヤの跡
北風に荒れ狂う海の波しぶき
丘の上から眺める薄暮の街並
寒い夜に街角でゆれる灯り……

何気ない日常が心に留まります。

一番冷え込む2月には、雪のオブジェの中に無数のキャンドルが灯される「小樽雪あかりの路」が行われます。
街のあちこちにあかりが灯り始めるうす紫色の夕暮れは、それはそれは美しく、言葉にできないほどです。
しばれる夜に人びとが街に繰り出してあかりを見て楽しむ、静かな冬のまつり。
その様子を見ていると、この街の人はなんて遊び上手なのだろうと思います。
私もそれに習って、数年前から庭の木や雪を使って“雪あかりの庭”を楽しんでいます。

小樽の景色の前で深呼吸をするたびに、小樽は私の一部になり、私も小樽の一部になっていくようです。
写真はそんな私の小樽暮らしの断片です。

 

2月3日から始まる19回目の「小樽雪あかりの路」。
もう小樽人の心はそわそわしています。
待ちきれないので、映像で反芻してみることにしました。
こちらは、2017年11月に東京新宿の京王プラザホテルにて開かれた、小樽在住のキャンドル作家米澤純さんの個展用に制作したものです。

Jun’s Light Candles
米澤 純 キャンドル展
— 小樽、クリスマスの雪あかり —

小樽の冬のイベント雪あかりの路をイメージしたインスタレーションの映像として使っていただきました。

Candlelight cafe & Restaurant 小樽Muse
http://www.otaru-muse.com

写真の主な撮影場所は、小樽の街のあちこち、自宅の庭、小樽雪あかりの路 塩谷会場です。
音楽:Amacha
http://amachamusic.chagasi.com/

冬の小樽、なかなかロマンチックですよ。

小樽雪あかりの路公式HP
http://yukiakarinomichi.org